多くの企業において、一日の大半が会議や打ち合わせで埋まり、実質的な作業時間が確保できないという現象が起きています。集団行動を重視する組織では、全員が同じ場所に集まり、時間を共有すること自体に価値が置かれる傾向があります。しかし、独自のペースで思考を深め、一人で作業に没頭することを好むタイプの人材にとって、このような拘束は苦痛でしかありません。目的が曖昧なまま開催される定例会議や、結論ありきの議論に参加させられることは、生産性を著しく低下させる要因となります。
こうした不満を解消するためには、プロセスよりも結果を重視する「成果主義」の領域へ足を踏み入れることが推奨されます。具体的には、エンジニアやライター、デザイナーといった専門職種において、成果物の質と納期さえ守れば、そこに至るまでの時間の使い方は問われない契約形態が存在します。フリーランスとして独立する場合も、これに該当します。このような働き方では、無駄な会議に出席する必要はなく、自身の集中力が最も高まる時間帯に仕事を進めることが許容されます。
時間は有限であり、誰かに管理されるためではなく、価値を生み出すために使われるべきです。集団の規律に従って座っているだけで給与が得られる環境を安定と捉えるか、あるいは時間を浪費していると捉えるかによって、選ぶべき道は分かれます。もし後者であるならば、自身のスキルを市場価値に換算し、時間的な拘束から解放される働き方を目指すことが、精神的な衛生を保つための最良の策となるはずです。